久々に寄ってみようと、なじみあるレストランに行ってみたらまったく違う店になっていました。レストランは那覇市松尾にあったフレンチ、ラ・ターブル・ド・パラディ(La Table de Paradis)。
奥さんがシェフで旦那さんが給仕というスタイルの店で、席数は少ないけどランチは1,000円できちんと作られたフレンチを楽しめる店はそうそうなく、固定客もきっと多かったはず。
野菜、肉、魚ともに丁寧に整えられ「おいしいものを食べたっ」という満足感があり、ほんとにフランスの街角にありそうなこじんまりとした良店だったゆえに残念でした。
淘汰が激しく、9割は10年続かないと言われる飲食業界。おのずと「なぜだったんだろう」「料金かなあ」「クーポン宣伝とかする店でないからなあ」などと全く勝手に考えてしまいます。
気に入っていた店や製品が終わってしまうと、そうやって惜しむ気持ちとともに、お店の努力もあるとはいえ、お客の側も声や足を向けることも大事なんだろう、と改めて気づかされました。
その価格とサービスとおもてなしを続けてもらうために、という一種の責任。
しっかり利益を持ってもらったり、改善してもらいたいところは伝えたり、それが顧客の側の責任なんだろうということ。
サイレントオーディエンスという言葉もありますが、もしあるお店や商品が気に入らなければ、客は静かに歩みを止めるだけ。
これはレストランだけでなく、一本のお気に入りのペンだったり、メガネであったり、車であったりしてもそうかもしれません。
「なじみ」といえるような長く付き合う製品やサービスが増えてきた年頃だけに、そういった関係性を考えさせられた日でした。
冒頭のレストランの行方を検索してみると、経営していたご夫婦は店を閉じて数ヶ月以上のヨーロッパ旅行に行かれたとか。
ぜひまた本場の味をふるまってほしいところです。