この数日、Gmailアドレスのメールアドレスにメールを送ると「遅延しています」のメッセージが届くことが重なった。
具体的には以下のようなメッセージ。
件名:Warning: could not send message for past 4 hours
本文:
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** THIS IS A WARNING MESSAGE ONLY **
** YOU DO NOT NEED TO RESEND YOUR MESSAGE **
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The original message was received at Tue, 8 Apr 2014 05:32:43 +0900 (JST)
from localhost [127.0.0.1]
—– Transcript of session follows —–
<メールアドレス@gmail.com>… Deferred
Warning: message still undelivered after 4 hours
Will keep trying until message is 5 days old
Reporting-MTA: dns; さくらのサーバ.sakura.ne.jp
Arrival-Date: Tue, 8 Apr 2014 05:32:43 +0900 (JST)
日本語訳。
件名:警告:メール送信に失敗し4時間が経ちます
本文:
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** このメールは警告通知のお知らせメールです **
** このメールは送信専用のため返信しないでください **
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メール本文はこの日付にlocalhostから送信されました。
—– メールの控えはこのメッセージに添付されています —–
<メールアドレス@gmail.com>… 延期中
警告メールを送信し4時間となりますが、まだ未着状態です。
5日後まで再送信を行ないます。
あれ、何か向こうの受信フォルダが一杯とか典型的なエラーかなと思ったが、何人か続いたためこちら側に原因があるかと思い調べた。
ローカルのネットワークは異常なし。
他のメールアドレスからは問題ない。
ということはメールサーバ、またはDNSがらみ。
問題のある相手はすべてGmail。
ということで調べてみると、さくらインターネットとGmailの間で障害が発生しているよう。
Gmail で仕事のメールが受け取れない? さくらインターネットで障害
さくらインターネットは、「さくらのレンタルサーバ」サービスから、米国 Google の Web メール「Gmail」へのメール送信に遅延が起きていると発表した。ソーシャルメディア上には仕事のメールがGmailに届かないという声がいくつも出ている。
ここのところ、Gmailと、さくらインターネットのあいだはしっくり行っていないようだ。3月にはGmailからさくらインターネットのメール送信サーバ(SMTPサーバ)を介してメールが送れなくなる問題が発生したが、今度は、さくらインターネットからGmailへのメール送信に遅延が出ている。
さくらインターネットからは2014年1月に公式の回避策が出ている。
ということは、昨年からずっと全体的ではないが各所で起きている症状のようだ。
その公式の発表では、ドメインのSPFレコードの設定を変更することで回避できるとのこと。
「さくらのレンタルサーバ」における「Gmail」および「Google Apps」宛てのメール遅延に関するお知らせ(1/27追記)
●2014年1月24日(金)追記
現在、「Gmail」および「Google Apps」宛ての遅延については収束していることを確認しております。
調査の結果、主にIPv6対応のサーバにて発生している事象であることが確認できました。
また、Google社のガイドラインにおいて、IPv6に対して電子メールの送信ドメインを認証する仕組みである「SPF(Sender Policy Framework)チェック」などの厳しい対策を実施している旨が明記されていることを確認いたしました。
これに伴い、送信元の信頼性を強化するため、ドメインSPF設定の機能追加を1月27日(月)に予定しております。
●2014年1月27日(月)追記
ドメインSPF設定の機能追加を実施いたしました。設定の方法は下記をご参照ください。
▼ドメインのSPFレコードの設定
http://support.sakura.ad.jp/manual/rs/domain/spf_record.html
さくらインターネットでは、今後もよりよいサービスの提供が行えるよう、精一杯努めて参ります。引き続き変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
Sender Policy Framework(SPF)は、SMTPを利用したインターネット電子メールの送受信において送信者のドメインの偽称を防ぎ、正当性を検証する仕組みのひとつとのこと。
確かに最近、ソフトバンクやau、ドコモのケータイアドレスを騙った迷惑メールが増えていた。
以下のような仕組みがあるようだ。
SPF(Sender Policy Framework)
迷惑メールは、一般的に送信元アドレスを偽称して送信してくることが多い。送信元を偽ることで、受信者が迷惑メールの送信者を突き止めることを困難にするためである。インターネット上では、一般にSMTP(またはESMTP)で電子メールの配送を行う。SMTP通信による電子メールの配送では、送信者メールアドレスが2種類与えられる。電子メールのFrom:ヘッダー上に示される送信者アドレスと、SMTP通信でのMAIL FROM:コマンドの引数として与えられるメールアドレスである。SMTPでは、この2つが同じでなくてはいけないという規則はなく、また、一般に任意のアドレスを指定可能であるため送信者の偽称が非常に簡単に行える。
SMTP通信においてSPFの仕組みを利用すると、あるメールを受信したとき、本当にそのメールが、そのメールを配送しようとするSMTP通信において送信者であると唱えられているメールアドレス(エンベロープ送信者)のドメインから送られてきたものかどうかを確認することが可能になり、迷惑メール対策の実施を容易にする。
こういった技術は早く一般化してほしいところだ。
そしてこのさくらインターネットでは、2014年1月以前に取得設定したサーバやドメインはSPF設定は施されていない。
この設定を行うとドメインのゾーン設定にまで影響するようで、ちょっと影響があるからか「やっておきました」的な対応はできないようだ。
であるならば、できる限り早急にユーザーに対応してもらえるように注意喚起をしてもらいたいようなところである。
さくらインターネット管理画面での設定
管理画面での設定は意外と簡単なものだ。5分で済むので、まだの人はやっておいて損はない。
ドメインのSPFレコードの設定
http://support.sakura.ad.jp/manual/rs/domain/spf_record.html
ただ設定が反映されるには数時間以上掛かるという。
また先述のインターネットコムの記事では「さくらインターネットは、原因を調査中としているが、応急の対策として、メールの送信ドメイン認証の手段である SPF レコードを設定することで状況が改善する場合がある」としている。
「改善する場合がある」・・・
迷惑メール対策もいたちごっこのようなものだが、迅速で的確な対応が望まれるところだ。