少し前の映画ですが、コーヒー文化を美しい映像でまとめたドキュメンタリー「A FILM ABOUT COFFEE」(2015年公開)をみました。
2015年に米ブルーボトルコーヒーが世界初進出の第1号店として東京に店舗を構えるなど、近年、世界的な広がりや盛り上がりを見せる本格志向のコーヒーカルチャー。現在のコーヒー文化を牽引する、ニューヨーク、サンフランシスコ、ポートランド、シアトル、東京の5つの都市で活躍するコーヒー店オーナーらプロフェッショナルたちのコーヒーへの哲学や仕事ぶりなどを追った。
別のコーヒードキュメンタリー『おいしいコーヒーの真実』(2008年公開)は、「フェアトレードの大切さ」を訴求したテーマだった。
コーヒーの需要が高まるにつれ、栽培農家にちゃんと還元するために求められていたのが「フェアトレード」。
しかしさらに需要が高まってくると「クオリティ」が求められてくる。
そこから一歩進んで、「ダイレクトトレード」という現在の流れを描いているのが、今回の「A FILM ABOUT COFFEE」です。
生産農家とダイレクトに契約して、その農家と共同で良いコーヒー体験を作り出していく。
コーヒーのサードウェーブと言われている、浅煎りのスペシャリティコーヒーの追求の流れを進んでいくと、生まれるべくして生まれるものだったと言えるとわかります。
もれなく私も浅煎りコーヒーのファンで、都内のカフェを折にふれては訪れ、味にハマっています。
コーヒー本来の味をもっと引き出そうとするとき、それはどれだけ生成過程の中で「品質を落とさないか」にかかっています。
農家とどのように協力してコーヒーの美味しさを引き出しているか、そして豆が店舗に届いてからどのような加工を経て提供されるか、実に奥が深く、それはカフェの運営スタイルや味に表れてきます。
そんな意味で、生産者と提供者、そして消費者ははっきりとつながっていることがこの映画からもわかりました。
カフェオーナーやバリスタのよりおいしいコーヒーを追求する姿勢は、コーヒーを楽しむ僕らにとっても尊敬するほど素晴らしいものであるし、そして生産者にとっても誇りと地域の発展をもたらすという、いい循環を生んでいくはずです。
美しい映像とともに、一杯のコーヒーに美味しさを求める姿勢が、ひいては世界中の発展につながっていくよ、とポジティブなメッセージの香りが漂う映画でした。
お気に入りのコーヒーのお供に、いかがでしょうか。
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