ディレクター/デザイナーのYossio Nagataです。
iPad+Apple Pencilでメモやラフ案描き、予定作りをやっていましたがやっぱり紙に回帰してるこの頃です。
修正できるのは良いけれど、俯瞰性や描き心地、イメージの具現化にやっぱり、まだ何かが必要な気がします。
M4のiPad Pro+Apple Pencil Proなら何か変わるでしょうか。
さて、今回のテーマは「修正」です。
ご依頼ご相談を進めていくとき、規模の大小はあるもののどうしても手直し、やり直しはあるものです。
しかし実は、そうしたご要望もいくつかの種類に分かれてくる、ということをご紹介したいと思います。
いわゆる「修正」は3つの種類に分けられる
画像を制作しウェブサイトにアップしたら、実は文章が違っていた、ということもあるかもしれません。修正が必要です。スマホから見るとサイズ感に違和感がある..修正しなくてはいけません。
修正、という言葉自体には「不適当とされる部分を改善する」という意図を含むので、広い意味では全て修正です。
修正(しゅうせい)とは、一般に誤りを正す事。また、その手段。また、議案について、原案に変更を加えて議決することをさす。文法の誤りを直すことを「校正」、スピーチや作文などの文章をよりよく編集する事を「添削」もしくは「推敲」、法律や憲法の条文を見直すことを「改正」と呼ぶ。
– ウィキペディア「修正」
似た言葉として、「校正」、「訂正」、「改定」などもあるようですね。
しかしウェブサイト制作というシゴトの場合、その性質によって主に下記の三つに分けられます:
- 修正…誤りを改めて決めた通りにすること
- 変更…元の状態を別の状態に改めること
- 追加…元の状態に新たな要素を加えること
基準となるのは、それまでに定めていた決めごとです。依頼内容であったり、作成したデザインであったり、提供のあった資料データであったり、これらからみたときに上記のどれに当たるか、ということです。
例えていうと、チーズバーガーをオーダーして、届いた商品にチーズが入っていなかった場合、これにチーズを入れて作り直すことは「修正」です。
チーズバーガーが届いて、やっぱりテリヤキバーガーに作り直してください、ということが「変更」です。
チーズバーガーが届いて、これにもう一段チーズを加えてダブルチーズとしてください、とするのが「追加」です。

なぜ性質で分けて考えるべきか
そしてこの棲み分けが大事なのは、その改めを「誰が負担するか」が決まってくるからです。
チーズを忘れていたのであれば、明らかに作った人の落ち度なので負担すべきでしょう。
しかしテリヤキバーガーに変更する、ダブルチーズを追加する、という場合はオーダーした側が別途料金を払うことになってきます。
例えばあるページのデザインをしコーディングを行なってから、デザイン時と異なる画像をコーディング時に挿入してしまっていた、という場合であれば明らかにコーダーによる「修正」が必要です。
しかし、検収段階になって、事情が変わったので別画像に差し替えて欲しい、という場合は「変更」になり、別途作業になります。
これはそのいわゆる「修正」の内容によって変わってくるかもしれませんが、単純に思える「追加」であっても、実は複数の工程やスタッフが関係することもあったりするので、やっぱり別途作業として扱わせてください、とご相談することもあります。
もちろん依頼によっては「作りながら決めていく」というパターンもあります。
まるでヘアカットに行った時のように、出来上がりを見ながら「もう少しここを切ってください」「やっぱり3mmで」と調整していく種類の作業のこともあります。
総じて「ショートボブにする」というプロジェクト自体の一貫した作業の単位のものであれば、修正、追加、変更の棲み分けは行いにくいかもしれません。
しかしやはり大きな単位としての決め事から判断して、考えることはあります。
「やっぱモヒカンに」という場合は、「変更」ですね。
修正を少なくするための3つのポイント
修正は依頼する側、対応する側も、時間やお金など何らかの負担を強いることなのでできれば少なくしたいものです。ディレクターとしてご提案できる修正を少なくするためのポイントをここでご紹介。
1. やることを事前にはっきり決めておく
プロジェクトの大小かかわりなく、作業することをはっきりと定めておいて、そしてこの通りかどうかチェックする体制を持っておくと、あとで気づいて「追加」になってしまうことを防げます。
このやることを洗い出して決める段階が非常に大切なので、時間をかけて丁寧に定めるようにしています。
2. 節目節目で認識チェックの段階を作っておく
プロジェクト進行では「マイルストーン」と呼ぶこともあります。あらかじめ定めた通りとなっているか、チェックする工程自体を作っておくと、「変更」が小さく済んだり、次の工程でのやり直しを防ぐことができます。
また、関係する人たち皆が「これでいいよね?」という認識のすり合わせや承認をこのチェック段階で行えているなら、もし修正が発生してもその合意をベースに考えることができます。
3. 修正が起きたときどうするのかをあらかじめ決めておく
それでも「やっぱり」や「ちょっと違う」は発生するものです。「もしそういう場面が起きたときどう進めるのか」も事前に定めておくなら、発生したときに進行が停滞することを防げます。
例えば予定を後にずらすこととするのか、作業料金負担はどうするか、またどのように工数換算するのか、こうしたことも基準として決めておくと対処しやすくなります。
グラフィカでは、事前の申し送りの際にこうしたことを決めておくようにしています。
というわけで、「修正」の中にも負担が求められるケースがあるということ、そして事前にいろいろ定めておくならご納得いただく形で進められる、という点ご紹介しました。
また次回のご相談の際に、意識していただけると幸いです。
冒頭の話に戻すと、そう、iPadとApple Pencilなら修正も変更も追加も本当はカンタンなんですよね。
ちょっと私の使い方を、修正したいと思います…!