サンフランシスコのApple Special Eventが開催され、新しいiPhoneが発売された。
タイミングとしてもiPhoneのフルモデルチェンジ時期、という注目が集まりやすいものだっただけに、ここまで事前リークが多く、ここまで「あまり変わってなさそうで変わった」と思えるような発表会は少ない。
新製品としてはiPhone 7とiPhone 7plus, そしてApple Watch Series 2、ワイヤレスイヤフォンAirPods、アップデート関連ではmac OS Sierra、iOS 10, watchOS 3が主なものだった。
電子決済Felica搭載、Pokemonやマリオのアプリなど日本人が嬉しく感じられる点は各メディアで大きく取り上げられてはいるが、世界的な印象はどうなのだろうか。
注目できる点はたくさんあるが、今回印象に残るキラーアイテムは、AirPodsなのではないかと思う。
これぞお手本というようなワイヤレスデバイス、AirPods
もしかしたら、最も小さなAppleデバイスとなるのではないだろうか。
AirPodsは、いわゆるワイヤレスイヤフォン。コードを刺す必要がなく、ただ耳につけるだけで音楽も通話も、そしてSiriコントロールもできるというデバイスだ(しかも片方だけでも)。
もうこれは、Appleまたはスティーブ・ジョブスが思い描いていた「デジタルハブ」の中の、最後の一つとでも言えるような、出るべくして出た製品。
言い換えると絶対いつか出るとわかってたようなもの。
紹介を見たところ、この小さなAirPodsの中には、Apple W1というチップが内蔵され、こう言った接続やサウンドのコントロールを行っているらしい。
「Wireless」のイニシャルである「W」が冠されていることから、今後いろんなワイヤレスデバイスにフィーチャーされ、そして「W1」「W2」とアップデートしていくのだろう。
サードパーティ製品としてもう既に多くのワイヤレス製品は登場しているが、行動パターンを設計して、それに関連する他のデバイスの機能連携も整えられる、メーカーならではのアドバンテージがある。
そして使い勝手のデザイン、デバイス間のシームレスさではAppleは長けていると思う。
例えば電話がかかってきたとしても、iPhone, Mac, そしてApple Watchで着信を受けることはできるが、スムーズにスイッチできるようだ。
私もワイヤレスイヤフォンを持っている。JayBird BlueBuds Xというモデルで、当時2万近くした覚えがある。
コードから解き放たれる自由に関しては非常に価値を感じているが、いかんせん、この接続などの使い勝手がなんとかならないだろうかと思っていたところだ。
だから、確実さが求められる時には今でもApple純正のイヤフォンを使っている。
今回のiPhone 7は、フィーバーが落ち着いてから考えてみたいところ。
確かにFelicaは魅力だけど、今のライフスタイル的にどこまで使う機会があるだろうか?という点があるからだ。
今回は目を見張る大発表がないだけに、Appleの終焉を叫ぶ人が少なからずいるだろうけど、スティーブ・ジョブスの呪縛に囚われているのは、もしかしたら私たちユーザーやオーディエンスの方なのかもしれない。
彼のティムへの遺言が自分の正しいと思うことを進めるように、というものであったように、これが今のAppleで、それを認めなければいけないのかもしれない。